個別指導とはどんなものなのか漠然と理解されている先生も、実際に個別指導についてくわしく知ることで対策が明確になり漠然とした不安が無くなります。
こちらでは個別指導について詳しく解説しています。ぜひ参考にしてみてください。
個別指導とは、健康保険法第73条などに基づき保険医療機関や保険薬局、保険医、保険薬剤師に対して行われる指導の1つの形態です。
保険診療や調剤に関連する適切な取り扱いや診療報酬の請求に関する事項を周知徹底することを目的としています。具体的な指導の形態として、「集団指導』「集団的個別指導」そして「個別指導」があります。
新規開業後に行われる新規指定に関する「新規指導」も個別指導の1つです。
「集団的個別指導」は、講習会形式の「集団指導」と各医療機関に対する面接形式の「個別指導」で行われます。
基準平均点を超える医療機関の上位8%が選定されますが、前年度の指導を受けた機関や当年度の予定がある機関は除外されます。
なお、報告書提出や返還はありません。
大規模な会場で講習会形式で行われるのが「集団指導」です。
保険医療機関の新規指定や指定更新に関する研修、また診療報酬改定時に厚生局と医師会が共同で開催する「点数説明会」などが該当します。
これらは講習会による指導にとどまり、その後の対応や措置は行われません。
個別指導には、新規指定に関する新規指導(新規個別指導)と、既に指定されている機関を対象にするものがあります。
新規指導は、通常は新規指定後の半年から1年程度内に行われますが、東京などの開業数が多い地域などでは実際には約2年後に指導が行われるケースが多いようです。
患者や保険者が不正請求の疑いがあると考え、厚生局に情報を提供することで、「個別指導」が実施される場合があります。
たとえば、患者が医療費に関する通知と自己負担額の記載が一致しないなどを報告した場合には、このようなケースが挙げられます。
患者の誤解によるもので保険者に通報をするなども考えられますが、こういった通報が複数ある場合には個別指導の選定理由となりうる可能性があります。
情報に基づく個別指導の場合、厚生局は不適切な請求に関するデータを入手し、時には患者を特定することもあります。そのため、診療報酬の返還が指摘される可能性は非常に高く、誤った対応をとると不正請求の疑いがかけられ、監査の対象になることも考えられます。したがって、より慎重な対応が必要です。
前回の個別指導・新規指導の結果が再指導になった医療機関は、再指導という形で選定されます。
前々年度に集団的個別指導を受け、前年度も高点数である医療機関は選定されます。
上記の選定理由に関わらず、不正請求などの明確な証拠、またはそれらを裏付ける情報がある場合、個別指導の対象となります。
厚生局からある日突然個別指導の実施通知書が届きます。個別指導の実施通知書には、「目的・日時・場所・出席者・当日準備する書類等」が記載されています。
なお、この個別指導は正当な理由がなく欠席をした場合、監査の対象となるのでその点重々注意しましょう。
記載される準備物の一例として上記のような書類があります。都道府県によっても求めてくる持参物が異なることもあり、場合によっては追加で用意を指示されるものもあります。
管理者は必ず出席が必要で、診療プロセスや診療報酬請求の手続きについて説明されます。
さらに、1週間前に20名分の指定、個別指導前日に10名分の指定を受けて持参する30人分のカルテに関する点検チェックと内容に関する問答が行われます。
個別指導の結果はおおよそ1〜2ヶ月程度で書面によって届きます。
個別指導の結果は大きく4つに分類されます。以降に解説をしております。
個別指導の結果に応じて以下のような措置が取られます。
自主返還や監査など、指導の結果に応じた措置が取られることもあります。指導内容に従い、適切な対応を心がけましょう。
監査の結果次第では、
保険医療機関・保険医の登録取消しも
監査は、個別指導の結果などに基づいて行われ、保険診療の内容や診療報酬の請求において、架空・付増請求などの「不正」や「著しい不当」が疑われる場合に実施されます。
この監査は、行政上の処置として保険医療機関の指定の取消などを検討するために行われます。
監査の前には、レセプトに基づく書面調査や患者調査が行われ、それらの結果に基づいて監査が実施されます。監査終了後には、「取消処分」「戒告」「注意」といった行政上の処置を行うかどうかが決定されます。
この中で「取消処分」となった場合原則5年間保険診療ができません。
突然の個別指導の通知に不安を感じる先生が多くいらっしゃいます。この漠然とした不安を和らげるためにも個別指導の全体像を理解するようにしましょう。
個別指導時には、治療文書やX線写真を除いて、さまざまな書類を用意する必要があります。通知が届いたら、直ちに準備を始めることが大切です。
質問には出来るだけ端的かつ最小限の内容で回答するようにしましょう。不用意・不必要なひと言によって新たな指摘事項や質問につながってしまいます。
記憶が曖昧な事柄や内容に自信がないことに対しては回答前に一度休憩を申し出るなどして不確実な回答を行わないようにしましょう。
場合によっては取り調べのような印象を受けるやり取りが進むことがあります。
その際にも感情的にならずいかに冷静にいられるかがポイントです。
厚生労働省では保険診療の確認事項のリストをホームページ上に公開をしています。
個別指導の際には、事前に目を通しておくと指導のポイントがわかります。
個別指導に関してのサポート内容などお気軽にご相談ください。
個別指導で必ず指摘される必須項目を追加